一般的なイメージより人事部の仕事は多岐に渡ります。
その中の大半が「人」を相手に行う業務が多いためコミュニケーション能力を始め、的確な判断をするための強いメンタルや全体を俯瞰的に見られる視野の広さなど求められることが多い仕事です。
今回は人事部の仕事内容や求められるスキル、向いている人の特徴を中心に人事部での仕事について解説します。
人事部の仕事内容
人事部の仕事内容は、大きく分けて5項目あります。
会社の方針などによって異なりますが、一般的に以下の項目に分類されます。
1.採用活動: 新しい社員を募集・選考し、会社に適した人材を見つける役割です。また、採用後のアフターフォローも採用活動の一環となります。
2.研修・教育では、新入社員研修、階層別研修、専門スキル研修などを提供し、社員の能力向上を支援します。また、キャリア開発プログラムを実施し、社員の長期的なキャリア形成をサポートする役割があります。
3.評価・報酬: 社員の業績評価や昇給・昇進、賞与制度を運用・管理する役割があります。
社員の仕事に対するモチベーションを維持・向上させるために、福利厚生の選択肢や個々の実績に応じた評価システム、報酬が必要です。報酬が不十分であれば、社員の不満が募ることにも。さらに、セクハラやパワハラなどの問題も考慮する必要があります。福利厚生や給与に関する制度の見直しや規則の明文化、運用といった取り組みを通じて、社員の働きやすい環境を整えることが重要な仕事の一つとなります。
4.労務管理:主に就業規則の策定・改定、労働契約の管理、労働時間管理、労働安全衛生管理、労働トラブルの解決、組合との交渉・対応をします。
業務を通じて、人事部は労働者の権利を保護し、働く環境を改善する役割を果たします。
また、労務管理が適切に行われることで、社員の満足度や生産性が向上し組織全体のパフォーマンスにも寄与します。
5.社員の福利厚生では、健康保険、厚生年金、雇用保険などの社会保険制度の運用や、各種手当、休暇制度、社員向けの福利厚生施設などを管理・運営します。これにより、社員の生活や健康をサポートし、働きやすい環境を提供することが目的です。
人事部で働く上で求められるスキル
求められるスキルは多いですが特に必要な3つをあげます。
1.分析力
2.コミュニケーション能力
3.プロジェクトマネジメント力
大前提として人を採用したり人材育成がメインの業務なので労働力の最適化や採用計画、従業員のパフォーマンス評価など、分析力は必須となるでしょう。
また、人事部は社内外に関わらず人を相手に仕事をすることがとても多いことに加え一般的なイメージより様々なタスクをこなしている社員が大多数です。
タスクが多く、時間が読みづらい人相手のお仕事なのでプロジェクトマネジメント能力やコミュニケーション能力が高い人ほど評価されると言えます。
また、他人の話を傾聴すること、社内外の人から意識的に情報のヒアリングを行うことなど聞くという作業を誰よりも怠らないことが重要です。
会社など組織で起こるトラブルの大半は人間関係によるものなので、その種をいち早く発見し除去することがとても大切です。
また、スキルが足りなくとも人事部で働く上で特に意識したいことがあります。
対 「人」の業務が多いので他の社員から受ける影響を受けることが多いためモチベーション管理は重要です。
最後に人脈の拡大を意識するべきです。人脈がなければ情報の入手も遅くなり、トラブルの対応が遅くなります。
上記の3点はスキルとは別に常に念頭に置くべきことです。
これらを意識することにより、円滑に業務を遂行し、組織や社員の成長を支援できるでしょう。また、自分自身のスキルアップやキャリア形成にも繋がります。
人事部で働くことが向いている人
1.協調性が高く、チームで働くことが得意な人。
2.人間関係の構築やマネジメントが得意な人。
3.冷静な判断力と柔軟な思考を持っている人。
4.細かい作業やルール運用に向いている人。
5.社員や組織の成長を支えることに情熱を持っている人。
3つ目の「冷静な判断力と柔軟な思考を持っている人」に関しては、特に重要と言えます。人事部は派遣の契約終了や正社員のリストラを決めるケースも少なくありません。
「人」を相手にする仕事だからこそ誠実に行わないと敵を作ってしまうケースもあります。
まとめ
人事部は、企業の成長と発展に欠かせない部門であり、幅広い業務を担当します。これらの業務を通じて、適切な人材の確保や社員のスキルアップや組織全体のパフォーマンス向上に寄与します。人事部で働くスタッフは、多彩なスキルが求められるほか、協調性やリーダーシップを持ち合わせることが重要です。人事部門の役割を理解し、組織や個人の成長をサポートすることで、企業の競争力向上に貢献できます。
人事部は企業の心臓部とも言える存在です。人事業務を通じて、社員一人ひとりが最大限の力を発揮できる環境をつくり、企業全体を支えましょう。